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お金をかけたらダメ? どういうこと??
…と驚かれる方もいらっしゃるでしょう。
* * *
今ここに英語を話せるようになって、将来は外資系で働きたいと思っている
OLのA子さんがいるとします。
英語を話したいという夢は学生時代からあります。
最初A子さんは、本屋で英語の文法の問題集(1,000円)を買いました。
学生時代から英語が得意なA子さんは、その問題集はさくさくと解き
すぐに1冊終わらせてしまいました。
でも、英語が話せるようになっていません。
おかしいな? 1,000円の本はダメなのかな?
もっと高い本を買ってみよう。
そう思ったA子さんは、次にCD付きの教材本(2,000円)を買いました。
リスニングも得意なA子さんは、そのCDを何回か聴きましたが
同じ内容を聴いているうちに飽きがきてしまいました。
ちょっと高い本を買ったのに、やはり英語が話せるようになっていません。
そうか、市販の本で勉強しても英語は身につかないんだ。
今度は、英会話教材にチャレンジしてみよう。
チャレンジ精神旺盛なA子さんは、英会話教材を買おうと思い立ちます。
今はインターネットで、いろんな教材について調べられます。
いわゆる口コミなどの情報をじっくり読んで、吟味した結果
あるリスニング教材(50,000円)を買うことにしました。
ちょっと高い教材だけど、これで英語が話せるようになれば
決して高い買い物じゃないわ、と考えるA子さん。
リスニング教材が手元に届いたその日から、毎日時間をとって英語を聴きます。
毎月新しい教材が送られてくるのですが、やはり英語が身についていないのです。
やっぱりダメだ。
教材は一方的に英語を話すのを聴いているからダメなのかも。
会社のそばに英会話スクールがあるから、そこに通ってみよう!
英会話スクールに通うにはとてもお金がかかります。
入学金、教材費、受講料などなど。
「一括払いだとお得ですよ」と受付の人に言われて、A子さんはその通りにしました。
もらったばかりのボーナス(600,000円)をどーんと振り込んだのです。
毎週3日、英会話スクールに通うことになったA子さん。
担当講師の英語はとてもクリアで聴き取りやすく、
スクールに通うのが楽しみになっています。
でも、1年ほど経ったとき、やはりあることに気がつくのです。
講師の英語は聴き取りやすいし、意味も分かるけど
まだ、私は英語を自在に話せるようになっていない。
日本にいて英語を習得するのは無理なのかも。
そうだ! 貯金もだいぶ貯まってきたから、思い切って留学しよう!
A子さんは会社を辞めて、アメリカへ留学することを決意したのです。
家族の反対もありましたが、なんとか説得して、留学することができました。
アメリカに行ったA子さんは、語学学校へ通います。
ノンネイティブが通う英語の学校です。
そこには日本人がたくさんいるので、いつも日本人同士でつるんでばかりです。
楽しい海外生活を終えて、帰国することになりました。
いよいよ、日本に帰るんだ。
みんなと会えないのは名残惜しいけど。
でも、みんなが帰国すれば、また全員で会って・・・
大変なことに気がついたA子さん。
確かに海外に住んでいましたが、ずっと日本人とばかり一緒に過ごしていたので
全く英語を話さなくてもいい環境だったのです。
言い換えると、英語力が全然身につかない環境ということです。
仕事も辞め、貯金をはたいて、留学したのに
結局英語が全然身につかなかったA子さんは失意のまま帰国の途につきました。
その後、A子さんがどうしているかは誰にも分かりません。
* * *
これは、外資系で働くことを夢見るOLのA子さんのお話です。
フィクションではありますが、どこかで同じような話を聞いたことはありませんか?
いろいろな教材を買っても、なかなか英語が身につかない。
気がつくと、どんどん高い教材に手を出している。
今度こそは、「なりたい自分になれるはず」とばかりにお金を使ってしまう。
こうなると、お金を使うことがギャンブルになってしまいます。
次はモトをとる!とばかりに、掛け金をがんがん上げているような状態ですよね。
そうです。
英語を身につけたいと思ったら、教材などにお金をかけたらダメなのです。
全くお金をかけないというのも無理な話ですが、
市販の本(CD付きの教材)なら、2,000円程度で買えます。
その本をぼろぼろになるまで読んだり、
CDがぼろぼろになるまで聴いたりすることが大事です。
(もちろん、CDはぼろぼろにはなりませんが・・・)
コストをかけずに教材を選ぶには、目利きになるしか手はありません。
でも、教材依存の体質を改善すれば、目利きになるのはそれほど大変ではないのです。
ぜひ、必要最低限の投資で英語を身につけていただきたいと思います。
(参考:必要最低限の投資で英語を身につけるには?)
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