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何のてがかりもなしに、ひたすら英語を聴き続けるというのは、
ある意味拷問に近いかもしれません。
「なんと言っているのかを知りたい」というストレスがどんどんたまっていくからです。
確かにスクリプトを見ながら、英語のCDなどを聴いていると、
英語が全て聴き取れるような感覚に陥ります。
しかし、それは幻想でしかないのです。
ここに、英語が大好きなAさんがいるとしましょう。
まじめなAさんは、ラジオの英語講座を毎日かかさず聴いています。
学生時代同様、毎日予習をかかしません。
スクリプトでスキットの内容を確認し、知らない英単語が出てきたら必ず辞書で
意味を調べます。
そんなAさんは、だいたい80%くらい聴き取りができていると思っています。
ある日、Aさんは予習することができなくて、予習なしで英語講座を聴きました。
するとどうでしょう。
ほとんど聴き取れないのです。
単語がいくつか聴き取れる程度でした。
この日の英語の聴き取りは20%くらいしか理解できませんでした。
はい、ここで問題です。
Aさんの本当の実力はどれくらいでしょうか?
1)80%
2)50%(80%と20%の平均)
3)20%
賢明なあなたには分かるかと思いますが、正解は「20%」です
予習をかかさないAさんの努力はすばらしいのですが、耳を鍛えるという点では
全く意味をなさないのです。
無駄な努力に終わってしまいます。
せっかく時間をかけてきたのに、もったいないことです。
それでは、なぜスクリプトを見ながら聴いてはいけないのか?
「見る」と「聴く」を同時に行ったとき、脳はどんな動きをするでしょうか。
目からの情報と耳からの情報をいっぺんに処理をしようとします。
しかし、この作業は1:1の比率では行われません。
聴き慣れない音の情報を処理するよりは、比較的見慣れた文字の情報を処理する方が
脳としては楽なのです。
そして、脳は楽な方を選択して、一生懸命働きます。
そんな脳の動きを知らない私たちは、スクリプトを見ながら聴くことで
「英語が聴き取れた!」と思い込んでしまうのです。
大きな間違いですよね。
そこで、音だけを聴くという過程が必要になるわけです。
これなら、文字を処理するという作業がなくなるので、
脳は音の処理だけに専念できるのです。
たいていの教材にはスクリプトがついています。
そして、そのスクリプトには日本語訳がついていることでしょう。
その訳も絶対に見てはいけません。
その場では、「意味が分かった!」とすっきりするでしょう。
これは、英絶を続けていく上では、なんの意味もなしません。
第3ステップに入ると、英英辞典でひたすら意味調べを行うことになりますが、
英英辞典には当然のことながら和訳はついていません。
何度読んでも意味がよく分からないということが多々あるのです。
第1ステップでスクリプトを見たり、和訳を見たりすると、
仮に第3ステップまで進んでも挫折する可能性が高くなると思われます。
自分で自分の首をしめないようにしましょう。
例外は、第2ステップでの書き取りの後、スペルを確認するときのみです。
スクリプトは絶対に見ない。
これは鉄則です。
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